許せてないのは自分だけ

自分の誕生日をアピールするのは、なんとなく下品で浅ましいことである、という意識がずっとあって、インスタのストーリーでも触れないし、(そもそも数ヶ月に一度しか投稿しない)LINEの誕生日も登録しない、を貫いていたけれど、初めて友達がお祝いしてくれたポストを引用する形で言及したら、いろんな人がおめでとうって言ってくれてうれしくて、なあんだこんな簡単なことだったんだ、と拍子抜けしてしまった。

似た話で、仲がよくて週一で遊んでいるご近所の友達から「あなたは気を遣いがちで遠慮するタイプだから、たまにわがままを言ってくれるとうれしいよ」と言われて、うっかり泣きそうになった。

お誕生日です!と主張するのも、あれが食べたい、ここに行きたい、あれが欲しい、と言うのも、勝手に自分がだめだと決めつけてただけで、別に悪ではないらしい。アラサーになって初めて気づくことが多い。

この前は出先で花粉症の症状がひどくて、もう鼻かみすぎて取れるんじゃないかと思うくらいで、イライラして恋人にちょっと感じの悪い返しをしてしまったことがあった。後から反省して100円ちょっとの飲み物を渡しながら八つ当たりしてごめんなさいと謝ったら、「え?俺八つ当たりされてたの?」とヘラッと笑われた。

薄々気づいてはいたけれど、わたしは自分への期待値が高い。謙虚で、不満を顔に出さず、先を見越して薬を多く飲むとかの工夫ができて、いつも機嫌がよく、自分ではなく周りを優先できて。

でも、身の回りの人の顔を思い浮かべると、必ずしもそうじゃなくても別にいいのだ。突然「どうしてもビアードパパが食べたい!!買ってくるけどいる!?」と聞いてくる友達に嫌な思いをしたことなんて一度もない。むしろ、率直なところがかわいいなと思えるのに、自分のことになると許せなくなるのはなんでだろう。

29歳はもっといろんなことを許せるようになりたいな。多分いきなり全部は無理だけど、少しずつ。あ、でも許されない遅刻とかはしないように気をつけます。