チョコレート、もしくはストロベリー

大きくなると生きにくくなるなあと最初にぼんやり思ったのはいつだっただろう。

高校の家庭科の授業での人生設計の宿題をやっていたときかもしれない。

私からするとあの宿題は酷くくだらないし、一般的で幸せな人生を進むべしという刷り込みに近いものを感じて嫌だったのだけど、家庭科とかの「宿題を出せば成績が取れる科目」で評定平均を下げたくなくて適当にでっちあげて提出した記憶がある。

そのときに今が人生のピーク、という言葉が脳裏に浮かんで、いやいやそんなこと思っちゃだめだだめだと必死に幸せな人生を思い描こうとした。

 

大人になるにつれ、ただでさえ苦手な「決断」が重くのしかかる。

クレープの味でさえなかなか決められなかったのに、決めなくちゃならない人生を左右しかねない選択がたくさんある。それも結構目の前に。

もう友達にちょっと味見させてもらおうなんて考えは通用しないし、一番人気を教えてくれる店員さんもいないから、

例え気に入らない結果になっても誰かのせいにせず最後まで自分で食べきらないといけない。

しかも厄介なことに好き嫌いは増え続ける。

もうこれ以上嫌いなものは増やしたくないと思うのに、気に入らないことばかりどんどん増えて、結局自縄自縛に他ならない。

はあ、いろいろ考えてたらクレープ食べたくなっちゃったよ。