小学生の頃、ピンクが好きだと言えなかった。
ピンクが好きなんてぶりっこだ、という意識というか決めつけがはっきりとあって、しかもそれがクラスメイトで共有されていた。
ピンクより水色、♡より☆、リボンよりクローバーを選んでいたけど、好きな方というより「好きとするのが好ましい」方だった気がする。
今でも女の子っぽいものを好き、と言うの、ちょっと恥ずかしいような、くすぐったい感じがある。
斎藤さんは黄色が好き と 黄色が好きな斎藤さん
こうして並べると何も変わらないように見えるけど、この二つの差は意外と大きいんだわ、きっと。
些細すぎて見逃してしまうから、気づいた時にはどうしようもなく歪んでしまうのかもね。
好きなものを教えるって自分をさらけ出すのに近いと気がついてから、急に言いにくくなっちゃったなあ。(特に本や音楽、映画とか)
好きなものも堂々と言えない世の中と言っておけばそれっぽいから、そういうことにしてスキップで逃げちゃおう、後ろは振り向いちゃだめ。