綿菓子みたいな嘘ついて

「ああ分かる分かる〜」なんて、そんなに息をするように分かられてたまるかよ、って気持ちは誰にでも分かりますよね。なんだか笑っちゃう。

分かる気がするけど本当は分かってないんだろうな、だって言った自分自身だってよく分かってないときさえあるんだもん。

嘘を聞きたくなければ耳を塞ぐべきだと思っていたけど、それより先に口を閉じるべきだと気付いたのはいつだった?

口に出してから、「あ、私こんなこと全然思ってないじゃん」って気がつくのよね、嘘をつこうと思っている訳ではなくて、空気とか流れとか、説明できない何かにつつかれて、口からぽつぽつ言葉が落ちる感じ。

考えてみたら言いたいことも伝えたいことも分かってほしいこともあんまりなくて、ただそこに相手がいるから、沈黙は気まずいから、にこにこしながら懲りもせず溢れるままにさせて、たまに後から後悔したり?まーたそうやって、後悔して反省したフリ?

でも本当は悪いことだって思ってない。本音なんて、人に聴かせられるほどきれいじゃないし面白くもない。だったらあの教授の悪口でも言ったほうが楽しいんじゃない?別に嫌いな訳ではないけど、孤独死への恐怖とか、そんな話題よりはマシでしょ。

素直に、正直に、って言ったって、それはあくまで内容が望ましいものである場合のみだ。私は自分の感情が望ましいものであるかどうかを嗅ぎ分けて、そうでなければドラマやCM、雑誌で見た模範解答を参考にして微調整するけど、その一連の行為は周りから素直と言われたりする。まぁわざわざ悪役にならんでも、というくらいの気持ちで、にこにこと他人のように自分の話を聞く。