美人はいいよねという蟻地獄

凪のお暇、ちょっと感想を書くのをサボっている間に最終話が4日後まで迫っていました。

凪VSお母さんの戦いが軸になりながらも、慎二、ゴン、円のストーリーもおざなりにならないのがすごいなと思います。坂本さん、うららちゃん親娘、緑おばあちゃんまで、脇役でも脇役っぽくなくてとても好きな脚本です。

 

円のポジションは独特ですね。空気を読もうとする凪、読めない坂本さん、作っていると思ったらめちゃくちゃ読んでいる慎二、読めちゃうゴンに加え、壊しちゃう円といったところでしょうか。派手な顔立ちではないけれど美人で、清潔感があって健気で頑張り屋さんで、目上の男性に可愛がられそうな感じ。ナイスキャストだと思います。

円の慎二へのアプローチの積極的な感じや、慎二の居合わせる場で一番強いお酒を頼むあたりが、確かに同性からするとウワッと思うところも無きにしも非ずなのですが、あの職場の人たちの反応にはちょっと首を傾げてしまいました。彼女が異動になった途端に契約が切られた理由を、相手は彼女の顔目当てだったと結論づけるのはあまりに短絡的というか、それを言ったらおしまいやがなと思うのです。仮にそうだったとしても、看板だった彼女の顔を失った今、できることは何だろうって考えないと、容姿に恵まれない人は何もできませんって言っているのと同じじゃないですか。それって、自分も辛いし何も生まないじゃないですか。

彼女は自分の容姿の良さにあぐらをかいて何も努力をしないか、というとそうではなくて、ピンチの時には休日返上で自分から動いて、それによる功績を鼻にかけたりもしない。だからこそ、「私のどこが好きでしたか」という円の質問に慎二が考え込むシーンは見ていてすごく辛くなってしまいました。顔と言いかけた瞬間にビンタできたのは偉いと思います。よくやった。もっと見る目のある人と幸せになってほしいです。

 

本筋の凪の話をすると、結局慎二ともゴンともくっつかずにラストになるだろうとは思うのですよ。慎二とは妄想で描かれた結婚生活が全てを物語っているし、初恋はなんとやらと言いますので、ゴンともないかな、と。ただ、慎二の活躍が大きくてかすみがちですが、ゴンの功績も大きいんですよね。今回お母さんに面と向かって嫌いだと気持ちを言えたのはおそらく彼のアドバイスあってこそだし、そもそも顔合わせにくるくるヘアで向かう時に彼女を支えたのは、ゴンの「人って変われると思うよ」だと思うのです。シチュエーションを救う慎二と、メンタルを救うゴンの助けを借りて、凪チャンはどこへ向かうのでしょうか。終わっちゃうの寂しいな。