誰が「カット!」と叫ぶのか

凪のお暇、ドラマ始まりましたね。

あのドラマを先週見ていて、自分は凪チャン側なのか、慎二側なのか考えてみたのですが、多くの人は、どちらか一人というよりは二人のキャラを上手く使い分けているのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。
あの二人の持つ問題の根底は、恐らく主役が他人の人生を生きていることで、その点では似た者同士なのだと思うのです。

私は"その場のノリで"嫌いじゃないどころか大好きな人の悪口を言ったりしちゃうタイプなので慎二の気持ちはなんとなく分かります。好きな相手のことほど、惚気る方がよっぽど難しいし、正直な気持ちを言ってスベるくらいなら、適当なことを言ってウケる方が"正しい"気がしてしまうタイプなのだろうな。
凪チャンの部屋という二人しかいない空間で、本人に対してああいったセリフを吐く人はそういないかもしれませんが、似たメンタリティの人間は割とその辺にゴロゴロいる気がします。二人とも幸せになってほしい…

凪チャンが自分が何をしたいのか考えても何も思いつかなくて焦るシーンはとても印象的でした。「何でもいいよ」って便利な言葉で、たくさん使っていると、自分の選びたいものが何だったのか、本当に分からなくなってしまうのです。何かを決めるってすごくエネルギーを使うから、当たり前なのかもしれないけれど。

でもそれじゃいかんと思った凪チャンは、他人に預けてしまったカチンコをどうやって自分の手に取り戻していくのか、とても気になるし身につまされるドラマだなと思いました。

話は逸れますが、最後凪チャンの髪をドライヤーで乾かすのが、ゴンさんじゃなくて本当によかった。その方が画にはなるものの、そういう白々しい演出があるとケッてなっちゃうもの。